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📋 この記事でわかること
- ✔ 青竹踏みに「本当に効果があるのか」を論文ベースで正直に整理
- ✔ 血流・柔軟性・血圧・バランスなど、どこに効いてどこは過大評価かの線引き
- ✔ やってはいけない人と、無理なく続けるための目安

実家に転がってた青竹踏み、なんとなく踏んでるんだけど…これ本当に意味あるの?

踏んだあと、足がスッキリするとか、歩くときに踏ん張りが効く感じ、ありませんか?

それはある。でも気のせいかもしれないし、根拠までは分からなくてね。
「なんとなく始めた」という方は、実はとても多いです。そしてその体感、まったくの気のせいというわけではありません。ただし「どこまで効くのか」はきちんと線引きが必要です。メーカーやアフィリエイト目的の記事は効果を大きく見せがちなので、ここでは訪問リハビリで12年、のべ12,000件以上のご家庭を回ってきた理学療法士として、論文で言えることと言えないことを冷静に切り分けていきます。過度な期待もあきらめも、どちらもいりません。効果があるところは正しく活かし、注意すべき人はきちんと見極める。その両方を押さえてこそ、青竹踏みは安心して続けられる健康法になります。等身大の青竹踏みを、一緒に見ていきましょう。
青竹踏みとは/足裏で何が起きる運動か

青竹踏みは、半分に割った竹(今は樹脂やプラスチック製が主流です)の丸みの上に土踏まずを乗せ、体重をかけて踏む昔ながらの健康法です。特別な技術も広い場所もいらず、テレビを見ながら数分でできる手軽さが、いちばんの魅力だといえます。
では、踏むと足裏で何が起きているのでしょうか。足裏には、体を支える筋肉や腱、そして地面の状態を脳に伝える感覚のセンサーがぎゅっと集まっています。青竹を踏むと、この足裏の組織が心地よい圧迫と刺激を受けます。硬くこわばった足裏がほぐれ、血のめぐりが促され、ふだんは意識しない足裏の感覚が呼び起こされる——ざっくり言えば、これが青竹踏みで「起きていること」です。
昔から「なんとなく体に良さそう」というイメージで続けられてきましたが、大切なのは、その「なんとなく」の中身を分解して理解することです。青竹踏みで足裏に起きるのは、大きく分けて「筋肉や腱がほぐれる」「血流が促される」「感覚が刺激される」という3つです。この3つを軸に見ていくと、後述する効果の話が整理して受け取れます。
✅ 青竹踏みで足裏に起きる3つのこと
- 筋肉・腱がほぐれる(こわばった足裏がゆるむ)
- 血流が促される(足裏〜下半身のめぐり)
- 感覚が刺激される(足裏のセンサーが目覚める)
そしてもうひとつ、冷静に押さえておきたいのは、青竹踏みは薬でも治療でもなく、あくまで「刺激を与える運動のひとつ」だという点です。この前提を持っておくと、次に出てくる効果の話も、過大でも過小でもなく等身大で受け取れるようになります。
なお、青竹踏みというと「足裏のツボを押す健康法」というイメージを持つ方も多いかもしれません。ただ、いわゆるツボ(反射区)と特定の臓器とのつながりについては、科学的にはっきり証明されているわけではありません。ですからこの記事では、「特定のツボが効く」という捉え方ではなく、足裏全体にまんべんなく刺激を与える運動として青竹踏みを見ていきます。そのほうが、実際の効果を冷静に受け止められるからです。
青竹踏みは本当に効果があるのか(論文でわかっていること)
まず正直にお伝えすると、青竹踏みそのものを対象にした研究は、決して多くありません。健康法として古くから親しまれてきた割に、科学的な検証はまだ十分とは言えないのが実情です。そのなかで参考になるのが、青竹踏みが体に及ぼす影響を検討した研究です。
この研究では、3分間の青竹踏みを行ったところ、立位体前屈(立ったまま前に曲げて測る柔軟性の指標)が向上し、さらに動脈スティフネス(血管の硬さを示す指標)が終了30分後に有意に改善したと報告されています(河野「青竹踏みが柔軟性および動脈スティフネスに及ぼす影響」より)。血管が硬いことは循環器の病気の危険因子とされているため、短時間の青竹踏みでこの指標が改善したというのは、注目に値する結果です。
出典:河野「青竹踏みが柔軟性および動脈スティフネスに及ぼす影響」(国士舘大学)
数分踏むだけで柔軟性と血管の指標に変化が出た背景には、足裏への刺激が全身の血流や筋肉のこわばりに働きかけている可能性が考えられます。もちろん一つの研究だけで断定はできませんが、「足裏を踏むという単純な動作が、体にとって意味のある入り口になりうる」ことを示した貴重なデータだといえます。
ここで一点、正直にお断りしておきたいことがあります。この研究の対象は健康な人であり、参加人数もそれほど多くはありません。ですから「この結果が、持病のある高齢者にそのまま当てはまる」とは言い切れません。それでも、青竹踏みという地味な運動が、体の指標を実際に動かしたという事実は、頭の片隅に置いておく価値があります。
「柔軟性が上がる」「血流が促される」は言えそう
冒頭の利用者さんが口にした「足がスッキリ」「踏ん張りが効く」という体感は、この柔軟性の向上とゆるやかに重なります。足裏がほぐれ、血のめぐりが促されること自体は、体感としても研究としても、ある程度は支持されている効果だと考えてよいでしょう。少なくとも「まったくの気のせい」ではない、というのが現時点での見立てです。
これは私自身の話で恐縮ですが、私の親も習慣的に青竹踏みを続けています。本人いわく「青竹踏みの直接の効果かどうかは分からないけれど、前より長く歩いても足の裏が痛くない気がする」とのことでした。もちろん因果関係を断言できる話ではなく、あくまで一人の体感にすぎません。それでも、足裏がほぐれて感覚が整うことが、こうした『歩いても疲れにくい』という日常の実感につながっている可能性は、現場の感覚としても腑に落ちます。効果を保証するものではありませんが、こうした地に足のついた小さな変化こそ、青竹踏みらしい価値なのだと思います。
ただし「一過性」「健常者」という前提を忘れない
一方で、注意すべき前提もあります。先ほどの研究は主に健康な人を対象とした、その場かぎりの一過性の効果を見たものです。「青竹踏みを続ければ高齢者の持病が治る」といった話にまで一気に広げてしまうのは、科学的には行きすぎです。効果はあくまで「補助的なひと押し」——この距離感が、訪問現場での実感ともよく合っています。魔法の道具ではなく、生活に足す小さな一手として捉えるのがちょうどよいのです。
👨⚕️ もくもくポイント
青竹踏みの効果は「一過性・健常者のデータ」がベース。続ければ持病が治るのではなく、あくまで生活に足す“ひと押し”と捉えるのが正解です。
青竹踏みの効果を一覧で整理(どこに効き、どこは過大評価か)

ネット上には青竹踏みの効能があふれていますが、その根拠の強さは正直バラバラです。ここでは訪問PTの視点で、「比較的確からしい/体感レベル/期待が先行しやすい」の3段階にざっくり整理してみます。
比較的確からしいもの(柔軟性・血流)
足裏の柔軟性アップと血流の促進は、前述の研究と多くの人の体感の両面から、比較的支持できる効果です。一方でバランスについては、正直なところ根拠はまだ弱いのが実情です。足底への刺激とバランスの関係を調べた研究でも、刺激を与えた高齢者とそうでない高齢者のあいだに、片脚立ちなどの明確な差は示されませんでした(「高齢者における足底感覚刺激訓練がバランス能力に及ぼす影響」より)。それでも、足指をしっかり使い、足裏の感覚を呼び起こすこと自体は、転倒予防の観点から理にかなった働きかけだと考えられます。高齢になると足裏の感覚は少しずつ鈍り、それがふらつきや転倒につながることも少なくありません。「バランスが必ず良くなる」とは言い切れませんが、足裏を「起こしてあげる」意識で取り入れる価値はあるでしょう。
出典:高齢者における足底感覚刺激訓練がバランス能力に及ぼす影響(J-STAGE)
体感レベル・個人差が大きいもの(むくみ・冷え)
「むくみが取れる」「冷えがやわらぐ」といった効果は、血流が促されることを考えれば説明はつきます。ただし効果の大きさには個人差が大きく、研究で強く裏づけられているとまでは言えません。「気持ちよく続けられて、なんとなく調子がいい」なら十分——そのくらいの受け止めが健全だと思います。効果を数字で証明できなくても、続けること自体が足を動かす習慣になり、そこから得られる良さも確かにあります。
📖 あわせて読みたい:高齢者の足のむくみは”座りっぱなし”が原因|マッサージより先に「動かす」対策
期待が先行しやすいもの(血圧・頻尿)
「血圧が下がる」「頻尿が改善する」といった効果は、期待が先行しやすい部分です。血管への良い影響を示す研究はありますが、それは薬の代わりになることを意味しません。持病の治療をやめて青竹踏みに置きかえる、といった判断は絶対に避けてください。あくまで治療は治療、青竹踏みは生活の補助、と役割を分けて考えることが大切です。特に頻尿については、「治る」と断言できるだけの根拠はまだありませんが、足を動かすことが体の巡りや生活リズムに与える影響という観点からは、頭ごなしに否定もできない、賛否の分かれるテーマです。血圧や頻尿への影響を、もう一歩踏み込んで知りたい方は、それぞれ別記事でPTの視点から掘り下げていますので、そちらを参考にしてください。
👨⚕️ もくもくポイント
効果を盛る情報ほど疑ってください。「柔軟性・血流」は比較的確か、「バランス」は理屈は通るが根拠は弱め、「血圧・頻尿がすっかり治る」は言いすぎ。この線引きが自分の体を守ります。
こんな人に向いている(おすすめしたい人)
ここまでの効果と限界を踏まえると、青竹踏みは次のような方に向いています。まず、運動習慣がなく「何か手軽に足を動かすことから始めたい」という方。特別な準備がいらず、テレビを見ながら数分でできるので、最初の一歩としてうってつけです。次に、立ち仕事や歩行で足裏がこわばりやすい方、足の疲れやむくみが気になる方。足裏をほぐし血のめぐりを促す働きが、心地よさとして実感しやすいでしょう。そして、転倒が心配で足裏の感覚を保っておきたい方にも、足指を使うきっかけとして役立ちます。共通するのは、「治療の代わり」ではなく「生活に足す一手」として、無理なく取り入れられる方だという点です。
✅ 青竹踏みが向いている人
- 運動習慣がなく、手軽に足を動かすことから始めたい方
- 立ち仕事や歩行で足裏がこわばりやすい・疲れやむくみが気になる方
- 転倒が心配で、足裏の感覚を保っておきたい方
こんな人は注意(禁忌・安全管理)
青竹踏みは手軽ですが、「誰でも自由にやっていい」わけではありません。ここは安全管理として、私たち理学療法士がいちばん大事にしている部分です。次に当てはまる方は、始める前に立ち止まってほしいと思います。
⚠️ 始める前に確認したい人(この後くわしく解説)
- 重度の高血圧がコントロールできていない
- 糖尿病で足裏の感覚が鈍い
- 踏むと骨や関節に痛みが出る
- 立つとふらつく・バランスに不安がある
重度の高血圧がコントロールできていない人
血圧が高いまま強い刺激や踏ん張りを加えると、一時的に血圧がさらに上がることがあります。まずは主治医の管理のもとで血圧を安定させることが先決です。落ち着いてから、無理のない範囲で取り入れましょう。
糖尿病で足裏の感覚が鈍い人
これはもっとも注意したいケースです。糖尿病の合併症で神経障害があると、足裏の感覚が鈍くなり、傷や刺激による痛みに気づきにくくなります。感覚が鈍った足では、青竹踏みの刺激で小さな傷ができても気づけず、そこから感染や潰瘍へと進んでしまう危険があります。糖尿病性足病変は、悪化すると下肢の切断につながることもある、決して軽視できない合併症です(糖尿病診療ガイドライン2024より)。「良かれと思って」が裏目に出やすい典型なのです。
出典:糖尿病診療ガイドライン2024 第11章 糖尿病性足病変(日本糖尿病学会)
👨⚕️ もくもくポイント
足裏の感覚が鈍い方には、青竹踏みの“気持ちよさ”がかえって危険になります。傷に気づけないまま悪化することがあるため、まず足の状態確認を。
骨や関節に痛みが出る人
踏んだときに足裏や関節に鋭い痛みが出る場合は、無理をせずいったん中止してください。背景に骨粗しょう症などが隠れていることもあります。痛みは体からのサインです。「痛いのを我慢して続ける」のは、青竹踏みにおいてはまったく必要ありません。
立ってふらつく・バランスに不安がある人
青竹踏みは立って行うイメージがありますが、そもそも立っているだけでふらつく方、片脚に体重を移すと不安定になる方は、立位での実施は避けてください。踏もうとして重心を崩し、転倒してしまっては元も子もありません。この場合は、イスに座って、かかとから土踏まずを転がすように踏むだけでも、足裏への刺激は十分に得られます。「立ってやらなければ効かない」ということはありません。安全に続けられる姿勢を選ぶことが、何よりも優先されます。
訪問現場からのエピソード

以前担当していた利用者さんに、糖尿病を長く患い、足裏の感覚がかなり鈍くなっている方がいました。あるとき、ご家族が「テレビで見た青竹踏みを、親にもやらせてあげたい」と話してくださいました。良かれと思っての提案です。ですが私はまず、その方の足の状態を確認させてもらうことにしました。
見せていただくと、フットケアが行き届いておらず、足の指のあいだに小さな傷ができていました。感覚が鈍い方は、この傷の痛みにも気づきにくいのです。私は「気持ちよさそうに見えても、今は青竹踏みはやめておきましょう」とお伝えしました。刺激で傷がさらに悪化しても、ご本人が気づけないおそれが高かったからです。
そのうえで、「まずはこの傷を治すのが先です」と、皮膚科やフットケア外来の受診をおすすめしました。ご家族は最初こそ「え、踏むだけなのに?」と驚いていましたが、経緯を説明すると、「感覚が鈍いからこそ危ないんですね」と深く納得してくださいました。
青竹踏みは良い運動です。けれど、その人の足の状態を見てから、が鉄則です。ときには止めること、そして次の一手(受診)につなぐことも、専門職の大切な役割だと私は考えています。
📝 訪問現場より
この経験からお伝えしたいのは、「良い健康法ほど、合う・合わないの見極めが大事」ということです。テレビや広告で紹介される方法は、たいてい「元気な人」を前提にしています。ご家族が高齢の親御さんに何かをすすめるときは、まず足元をよく見てあげてほしいと思います。
続け方の目安

青竹踏みを取り入れるなら、「痛気持ちいい」と感じる範囲で、1日数分から始めるのが無理のない目安です。長くやればやるほど効く、というものではありません。むしろ毎日短く続けるほうが習慣として定着しやすく、結果的に足裏の状態も整いやすくなります。物足りないくらいでちょうどよい、と覚えておいてください。強く踏みすぎて足裏を痛めては本末転倒です。イスに座って行えば体重のかかりすぎを防げるので、立つのが不安な方や高齢の方は座った姿勢から始めるのも良い方法です。
✅ 無理なく続けるコツ
- 「痛気持ちいい」範囲で、1日数分から
- 長い時間より、毎日短く。習慣にするほうが大事
- 強く踏みすぎない(足裏を痛めては本末転倒)
- 立つのが不安なら、イスに座って行うだけでOK
なお、詳しい踏み方や適切な時間、ダイソーなどで手に入る道具の選び方については、別の記事でくわしくまとめていますので、そちらをご覧ください。また、青竹踏みはあくまで足腰を整える取り組みのひとつです。足腰を鍛える全体像や、ほかの運動との組み合わせについては、足腰の総合記事もあわせて読んでいただくと、ご自身に合った続け方がより見えてくるはずです。
👨⚕️ もくもくポイント
長くやるほど効くわけではありません。1日数分、痛気持ちいい範囲で。不安な方は座って行うだけでも十分。続けやすさが何よりの効果です。
手軽に始めたい方へ(青竹踏みの道具)
ここまで読んで「まずは気軽に試してみたい」と感じた方へ。青竹踏みは特別な道具がなくても始められますが、市販の青竹踏みがあると足を乗せる位置が安定し、毎日続けやすくなります。国産の無塗装タイプなど、シンプルなものを一つ用意しておくと便利です。
まとめ
📌 まとめ
青竹踏みは、足裏の柔軟性や血流を促し、足裏の感覚を保つ助けにもなる、手軽で価値のある運動です。研究でも、柔軟性の向上や血管への良い影響が示されています。一方で、バランスや血圧、頻尿については、良さそうな理屈はあっても強い根拠があるわけではなく、「必ず効く・治る」といった過大な期待は禁物です。あくまで生活に足す補助的な取り組みとして受け止めるのが、誠実な線引きだといえます。
そして何より大切なのが、安全管理です。糖尿病で足の感覚が鈍い方、重度の高血圧のある方、踏むと足に痛みが出る方、立つとふらつきやすい方は、始める前に必ず足の状態と体調の確認を。手軽な健康法だからこそ、「その人に合っているか」を見極める視点が、安全に、そして長く続けるためのいちばんの近道になります。
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📚 参考文献
※本記事は情報提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。持病のある方や体調に不安のある方は、始める前に主治医やかかりつけの専門職にご相談ください。効果には個人差があります。


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