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📋 この記事でわかること
- ✔ 玄関対策の正しい優先順位(「①気づく → ②出さない → ③声かけ」の順)
- ✔ 開閉センサー・SwitchBotで「出たことに気づく」方法と選び方(センサーだけでは通知が来ない点も)
- ✔ 賃貸でもできる、鍵・補助錠で「物理的に出さない」工夫
- ✔ 鍵だけでは防げない理由と、現場で効いた「声かけ」のコツ

今日は夜勤なんだ。行かないと迷惑がかかる。なんで止めるんだ…

もう仕事は辞めてるのに、夜になると玄関へ向かうんです。鍵をかけても自分で開けて出ちゃって…気づいたらいなくて、本当に怖くて。
このお気持ち、痛いほどわかります。そして、これは”気の緩み”でも”見守りが足りないから”でもありません。認知症の徘徊は、正しい順番で手を打てば、リスクをぐっと下げられます。
訪問12年の経験からお伝えすると、玄関対策で大事なのは 「①出たことに気づく」→「②物理的に出さない」→「③声かけ」 という順番です。多くのご家庭が②(鍵)から入ってうまくいかず、疲れてしまいます。この記事では、その理由と、賃貸でもできる具体策を順番に解説していきます。
なぜ「玄関対策」が命に関わるのか
「ちょっと外に出ただけ」——そう思っていると、取り返しのつかないことになりかねません。
警察庁の統計によると、2024年に認知症やその疑いで警察に届け出があった行方不明者は1万8121人にのぼります(警察庁「令和6年における行方不明者届受理等の状況」より)。この数は年々高い水準で推移していて、決して”特別なご家庭”だけの話ではありません。
そして、ここが一番知っておいてほしいところです。行方不明になった方のうち、残念ながら亡くなった状態で見つかった方は491人。そのうち約8割(77.8%・382人)が、最後に姿を確認された場所から5km圏内で見つかっています(警察庁「令和6年における行方不明者届受理等の状況」より)。
5km圏内、というのは大事なポイントです。つまり、遠くまで行ってしまう前に気づけていれば、防げた可能性があるということです。警察庁も、発見の遅れが命に大きく影響するとして、早く居場所をつかむことの重要性を指摘しています。
だからこそ、玄関対策で最初に考えるべきは「頑丈な鍵で閉じ込めること」ではありません。「出たこと・出ようとしたことに、いかに早く気づくか」なのです。
訪問の現場でも、私はこの順番を何よりお伝えしています。鍵を強化するより先に、まず”気づける仕組み”を整える。気づくのが数分早いだけで、玄関先で追いつけるか、5km先まで捜し歩くことになるか——結果が大きく変わってくるからです。
そもそも、なぜ玄関から出ていこうとするのか

対策を考える前に、まず知っておいてほしいことがあります。それは、徘徊は”意味のない行動”ではないということです。
なお、徘徊がなぜ起きるのか(原因や、ご家族が抱えやすい誤解)については、認知症の徘徊はなぜ起きる?原因と、家族が抱える3つの誤解で詳しく解説しています。あわせて読むと、対策の意味がより腑に落ちるはずです。
日本作業療法士協会も、徘徊は客観的には目的が分からないように見えても、本人にとってははっきりとした目的や理由がある切実な行動だと説明しています(日本作業療法士協会より)。中でも多いのが「誤認による徘徊」で、昔の生活をしているつもりで、仕事に行こうと職場を探して出かけてしまうケースです(日本作業療法士協会より)。
冒頭の吹き出しに出てきた「夜になると仕事に行く」という方も、まさにこれです。本人の頭の中では、退職したことは抜け落ちていて、”今日も夜勤がある”というのが揺るぎない事実になっています。だから止められると「なんで邪魔をするんだ」と戸惑い、時に怒りにもつながります。ここを「困った行動」ではなく「本人なりに筋の通った行動」と捉えられるかどうかで、対応の質がまるで変わってきます。
そして、こうした症状は特別なことではありません。ある研究では、高齢の認知症の方の約80%が、徘徊を含む行動・心理症状(BPSD)を経験するとされています(園田学園女子大学 林谷・田中「認知症高齢者のBPSDに対する支援のあり方」より)。多くのご家庭が通る道であり、あなたのご家庭だけの問題ではないのです。
出典:園田学園女子大学「認知症高齢者のBPSDに対する支援のあり方」
さらに知っておいてほしいのは、こうした症状は薬に頼らなくても、環境の工夫や関わり方で和らげられる場合があるということ。同じ研究でも、比較的軽度であれば薬を使わない対応で対処できる場合があると述べられています(園田学園女子大学 林谷・田中「認知症高齢者のBPSDに対する支援のあり方」より)。
出ていきやすいタイミングには”クセ”がある
訪問の現場で見ていると、出ていこうとするタイミングには、その方ごとの傾向があります。
夕方になるとソワソワし始める方、決まって夜に動き出す方、デイサービスのお迎え時間になると玄関に立つ方——。先ほどの夜勤をされていた方も、決まって「夜」でした。若い頃に夜勤で働いていた記憶が、日が暮れると呼び覚まされるように出てくるのです。
ご家庭でまずやってほしいのは、「いつ・どんなときに出ていこうとするか」を数日メモに取ってみることです。時間帯のクセがつかめると、「この時間帯だけは特に気をつける」「その前に声をかけて気をそらす」といった先回りができるようになります。次に紹介するセンサーも、こうした”出やすい時間帯”と組み合わせると、ぐっと効果的になります。
もくもくポイント
「なんで急に外に出ようとするの?」とご家族は戸惑いますが、本人の中では”仕事に行く””家に帰る”といった目的がはっきり存在しています。この前提を家族が理解しておくと、後で紹介する「否定しない声かけ」がぐっとやりやすくなります。まずは出ていこうとする時間帯のクセを数日メモしてみると、対策の精度が上がります。
【対策①】まず「出たこと」に気づく仕組みをつくる

ここからが本題です。玄関対策は「①気づく」→「②出さない」の順番、とお伝えしてきました。まずは①、出たこと・出ようとしたことに気づく仕組みから整えます。
一番シンプルで確実なのは、玄関ドアに「開いたら知らせてくれるセンサー」をつけることです。ドアが開いた瞬間に通知が来れば、別の部屋にいても、庭先にいても、すぐに気づけます。
賃貸でもできる。「貼るだけ」で始められるのが強み
「うちは賃貸だからドアに穴を開けたり工事したりはできない」——訪問先でもよく聞くお悩みです。
その点、後付けの開閉センサーは両面テープで貼るだけのものが主流なので、賃貸でも安心です。ドア枠に穴を開ける必要も、大がかりな工事も要りません。退去時にはがせばいいので、原状回復の心配もほぼありません。まず「貼るだけで始められる」というのは、最初の一歩としてとてもハードルが低いのです。
SwitchBot 開閉センサーという選択肢
具体的な製品として、私が現場でもよくご家族にお伝えするのが「SwitchBot 開閉センサー」です。
玄関ドアの枠とドア本体に本体とマグネットを貼り付けておくと、ドアが開いたことを検知してくれます。設置は貼るだけ、電池で動くので配線も不要。機械が苦手なご家庭でも導入しやすいのが利点です。
ただし——ここが買う前に絶対に知っておいてほしい一番大事なところです。
【超重要】通知を受け取るには「ハブ」が必ず要ります
ここが、買う前に絶対に知っておいてほしい一番大事なところです。
SwitchBotの開閉センサーは、単体では「スマホへの通知」が届きません。「ドアが開いたらスマホにお知らせ」を使うには、インターネットとセンサーを橋渡しする「SwitchBotハブ」が別途必要です。これは公式サポートにも明記されています。
しかもこれは「外出中だけの話」ではありません。同じ家の中にいて、別の部屋で気づきたい場合でも同じです。センサー本体が音や光で大きく知らせてくれる機能はないため、別室や庭先で”鳴って気づく”ような使い方はできません。
つまり、玄関が開いたら気づきたいなら、センサー+ハブがスタートラインです。ここを知らずにセンサーだけ買うと、「通知が来ない」と結局買い直しになります。
◎ センサー単体でできること
・アプリを開いて、玄関が今開いているか確認する
・「何時に開いたか」の履歴を後から見る
→ あくまで“後から確認する”用途。リアルタイムでは気づけません。
◎ センサー+ハブでできること
・玄関が開いた瞬間にスマホへプッシュ通知
・外出中・仕事中でも通知が届く
・スマートスピーカーと連携すれば、別室でも音声で知らせてくれる
徘徊対策で必要なのは、間違いなく後者です。「センサーだけ買えば通知が来る」と思い込まないこと。ここだけは必ず押さえてください。
「開けさせない」ところまでやるなら、スマートロックも
もう一歩進めて、「気づく」だけでなく「そもそも簡単には開けさせない」ところまでやりたい場合は、スマートロックという選択肢もあります。
スマホで施錠状態を管理でき、本人が内側から開けにくくする一助になります。ただし、これは対策②(物理的に出さない)の領域に踏み込む話であり、費用も上がります。まずは「気づく」仕組みから入り、必要に応じて検討する、という順番で十分です。詳しくは次の章で、賃貸でもできる物理対策とあわせて解説します。
もくもくポイント
SwitchBotの開閉センサーは、単体ではスマホに通知が届きません。玄関が開いたことにリアルタイムで気づくには、センサーとハブをセットで用意するのがスタートラインです。ここを知らずにセンサーだけ買うと「通知が来ない」と買い直しになりがち。「センサー+ハブで1つの仕組み」と覚えておいてください。
訪問先で実際にあった、センサーで「間に合った」話

ここで、実際に訪問先で見てきたケースをご紹介します。
あるお宅は、80代のお父様が「夜になると仕事に行く」と玄関へ向かってしまう方でした。ご家族が日中は仕事で不在の時間帯もあり、「留守のあいだに出てしまったら」という不安を常に抱えていらっしゃいました。
このお宅では、対策を役割分担していたのが印象的でした。
ひとつは、万が一外に出てしまった後のためのGPS端末。もし出てしまっても、どこにいるか位置を追えるようにしておく”最後の保険”です。(※万一出てしまったときの探し方・GPSの詳しい話は別記事で解説しています)
そしてもうひとつが、玄関の開閉センサー。こちらは”出てしまう前・出た直後”に気づくためのものです。ご家族がキッチンにいても、庭で洗濯物を干していても、玄関ドアが開けばすぐ分かる。「玄関から離れた部屋にいても、庭先にいても気づけるように」と、あえてセンサーを入れていました。
ポイントは、この2つがまったく別の役割を担っていたことです。GPSは「出た”後”」、センサーは「出る”瞬間”」。どちらか一方ではなく、両方あることで穴がなくなります。
実際にこのお宅では、お父様が玄関を開けたところでセンサーが反応し、庭にいたご家族がすぐに気づいて玄関先で声をかけられた、という場面が何度もありました。5km先まで捜し歩くことなく、玄関先で穏やかに引き止められる。これこそ「まず気づく」ことの効果です。
もし出てから気づいていたら、ご家族は真っ青になって近所じゅうを捜し回っていたはずです。数十秒〜数分の”気づきの早さ”が、この差を生みます。
現場で感じた「気づけること」の安心感
センサーを入れて何より変わったのは、ご家族の心のゆとりでした。
「四六時中、玄関を見張っていなければ」という緊張から解放されるだけで、介護する側の消耗はまるで違います。ずっと気を張り続けるのは、現実的に続きません。”開いたら教えてくれる”仕組みに見張りを任せられると、ご家族は他のことをしながらでも安心して過ごせるようになります。
徘徊対策は、本人の安全を守ると同時に、介護するご家族が倒れないための対策でもあるのです。
【対策②】物理的に「出さない」工夫を重ねる

「気づく」仕組みができたら、次は②「物理的に出にくくする」対策を重ねます。ここで大事なのは、①と②はどちらか一方ではなく、セットで効果を発揮するということです。
なぜなら——これは現場で何度も見てきたことですが、鍵をかけても、本人が自分で開けて出てしまうことがあるからです。冒頭のお宅もそうでした。だからこそ「①気づく」仕組みが先に要る。物理対策は”時間を稼ぐ””ワンクッション置く”ためのもの、と考えると力の入れどころが分かりやすくなります。
賃貸でもできる。後付けの補助錠・鍵の工夫
まず手をつけやすいのが、玄関の鍵まわりの工夫です。
普段使っている鍵に加えて、後付けの補助錠をもう一つ増やす方法があります。特に、本人が普段使い慣れていない位置——ドアの上のほうなど、いつもと違う場所に補助錠をつけると効果的です。認知症の方は「いつもの鍵」の開け方は覚えていても、見慣れない位置の新しい鍵までは手が回らず、そこで一度止まってくれることが多いのです。
賃貸の方向けには、両面テープで貼るタイプの補助錠や、ドアと枠に挟んで使うタイプもあります。ネジ止め・穴あけが不要なので、原状回復の心配なく設置できます。
もうひとつ地味に効くのが、チェーンロックやサムターン(内鍵のつまみ)まわりの工夫です。サムターンにカバーをつけて回しにくくするだけでも、開けるまでにワンテンポかかり、その間に気づける可能性が上がります。
玄関以外の出口・柵も忘れずに
見落としがちなのが、玄関以外の出口です。
掃き出し窓、勝手口、ベランダ——玄関を固めても、別の出口から出てしまっては意味がありません。実際、玄関に補助錠をつけたら今度は窓から出ようとした、というケースもあります。本人にとっては「外に出る」ことが目的なので、玄関が無理なら別ルートを探すのです。
対策としては、窓にも補助錠や窓ストッパーをつける、動線上に簡易的な柵(ベビーゲートなど)を置いて出口までのハードルを増やす、といった方法があります。柵は突っ張り式の後付けタイプなら賃貸でも使え、”完全に防ぐ”というより”ワンクッション置いて気づく時間を稼ぐ”目的で有効です。
スマートロックという選択肢(対策①からの続き)
対策①でも少し触れましたが、「開けさせない」ところまで踏み込むなら、スマートロックも選択肢になります。
スマホで施錠を管理でき、本人が内側から開けにくくする一助になります。オートロック設定にしておけば「閉め忘れ」も防げます。費用は補助錠より上がりますが、「鍵の閉め忘れが不安」「外出先から施錠状態を確認したい」というご家庭には向いています。
ただし、繰り返しになりますが、物理対策だけで100%は防げません。鍵を増やしても、時間をかければ開けてしまう方もいます。だからこそ①「気づく」との組み合わせが前提であり、そして次にお話しする③「声かけ」が、実はどんな鍵より効くこともあるのです。
【対策③】モノだけでは防げない──現場で効いた「声かけ」

センサーも鍵も、とても大切です。でも、訪問の現場で私が一番「効いた」と感じているのは、実はその瞬間の”声かけ”です。
どんなに鍵を増やしても、本人が「どうしても出たい」という強い気持ちのままでは、玄関の前で押し問答になり、家族も本人も消耗します。逆に、声かけひとつで本人がふっと落ち着けば、そもそも出ようとしなくなる。ここが、モノの対策だけでは届かない領域です。
やってしまいがちな「否定」は、逆効果になる
冒頭の「夜になると仕事に行く」お父様のお宅で、実際にあったことをお話しします。
はじめ、ご家族は「仕事なんてもう辞めてるからないよ」と、事実を伝えて止めようとしていました。これは、ごく自然な対応です。誰だってそう言いたくなります。
でも、本人はまったく納得しませんでした。それどころか「行かないと迷惑がかかる」と、ますます強く出ていこうとしたのです。
これは、認知症の対応でよく知られた典型的なパターンです。訪問の現場でも、頭ごなしの否定から入ってうまくいったケースは、ほとんどありませんでした。
本人の頭の中では”夜勤がある”のが揺るぎない事実です。それを正面から否定されると、「自分をわかってくれない」という不信感になり、興奮につながってしまうのです。
現場で効いた「否定せず、辻褄を合わせる」対応
ではどうしたか。私がご家族にお伝えして、実際にうまくいった方法をご紹介します。
それは、本人の世界観の中で辻褄を合わせて、安心してもらうという対応です。
具体的には——その場で、「仕事が今日あるか、電話で確認してみましょう」と一緒に電話をかける形をとりました。そして「今日はお休みだそうですよ」と確認できると、お父様はすっと落ち着き、玄関から離れてくれたのです。
ここでのポイントは、嘘で言いくるめたのではないということです。「仕事はない」と頭ごなしに否定するのではなく、本人が納得できる形で「今日は休み」という事実にたどり着いてもらう。本人のプライドや”仕事に行かなきゃ”という責任感を傷つけずに、安心につなげる。これが効きました。
認知症ケアでは、薬に頼る前に、まず本人の不安や混乱の背景にある理由を探り、環境や関わり方を工夫することが基本とされています(厚生労働省「かかりつけ医・認知症サポート医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版)」)。本人の心配の理由に沿って安心につなげる。まさにこれを、電話という形で実践したわけです。
出典:厚生労働省「BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版)」
声かけの引き出しを、いくつか持っておく
同じ方でも、その日の状態でハマる声かけは変わります。いくつか引き出しを持っておくと安心です。
たとえば「もう連絡しておいたから、今日は大丈夫だよ」と伝える。「外は暗くて危ないから、明るくなってから一緒に行こう」と時間をずらす。「その前にお茶を一杯どうぞ」と一度座ってもらって気持ちを切り替える。どれも、否定せず・急かさず・本人の気持ちに沿うという点で共通しています。
大切なのは、”正しさ”で説得しようとしないこと。「事実はこうだ」と正論を突きつけるほど、本人は頑なになります。本人が安心できる着地点を一緒に探す——この姿勢が、どんな鍵よりも玄関の前で効くことがあるのです。
もくもくポイント
玄関の前で「仕事なんてないでしょ」と正論で止めると、本人はかえって頑なになります。効くのは、否定せず本人が納得できる形(電話で確認する、など)で安心につなげること。どんな鍵より、この”声かけ”が効く場面が現場では何度もありました。声かけの引き出しをいくつか持っておくと安心です。
まとめ──「閉じ込める」より「早く気づく」から始めよう
認知症の親御さんが玄関から出ていってしまう。これは本当に怖く、気の休まらない問題です。でも、正しい順番で手を打てば、リスクは確実に下げられます。
最後に、この記事のポイントを整理します。
まず大前提として、亡くなった方の約8割が最後に確認された場所から5km圏内で見つかっているという事実があります。つまり、遠くへ行く前に気づけるかどうかが、命の分かれ目になります。だから玄関対策は「頑丈に閉じ込める」より「早く気づく」から始めるのが正解です。
そのうえで、対策は次の3段階で重ねていきます。
①まず「出たこと」に気づく……玄関に開閉センサーを。貼るだけで賃貸でもOK。ただし通知を受け取るにはセンサーとハブをセットで。センサーだけでは通知が来ないので、ここは買い間違えやすく必ず確認を。
②物理的に「出さない」工夫を重ねる……補助錠を見慣れない位置に足す、窓や勝手口も忘れない、突っ張り柵でワンクッション。賃貸でも後付けでできます。ただし鍵だけでは開けて出てしまうこともあるので、①とセットが前提です。
③その瞬間の「声かけ」……どんな鍵より効くこともあります。「仕事なんてない」と否定せず、本人が納得できる形(電話で確認する、など)で安心につなげる。本人の世界観を否定しないことが、いちばんの近道です。
そして、もし万が一出てしまったときの探し方(GPSの活用法など)については、別の記事で詳しく解説しています。あわせて備えておくと安心です。
徘徊対策は、本人の安全を守るためのものであると同時に、見守り続けるご家族が倒れないための対策でもあります。「ずっと玄関を見張らなければ」という緊張から、あなた自身を少しでも解放してあげてください。まずは”貼るだけ”のセンサー一つから。その小さな一歩が、ご家族みんなの安心につながります。
・警察庁「令和6年における行方不明者届受理等の状況」
・日本作業療法士協会「認知症の徘徊、どう受け止める?」
・園田学園女子大学 林谷啓美・田中諭「認知症高齢者のBPSDに対する支援のあり方」(園田学園女子大学論集第48号)
・厚生労働省「かかりつけ医・認知症サポート医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版)」


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