📋 この記事でわかること
- ✔ ケアマネジャーは変更していいのか
- ✔ 変更したいと感じる理由と変更前の確認ポイント
- ✔ 具体的な変更手順と相談先
- ✔ 新しいケアマネジャーの選び方

担当のケアマネジャーさんと、なんかうまくいかなくて…変えてもいいのかしら?

変更は全然OKですよ。遠慮しなくて大丈夫です。手順さえ知っておけばスムーズに動けますよ。
「ケアマネジャーを変えたい」と思っても、なかなか言い出せない方は多いです。長年お世話になっている、角が立ちそう、他に誰を頼ればいいかわからない…そんな気持ちから、モヤモヤを抱えたまま我慢してしまうケースを現場でも何度も見てきました。ケアマネへの不満を長く抱えることは、家族自身のメンタルにも影響します。
結論からお伝えすると、ケアマネジャーは変更できます。そして変更することは、決して失礼なことでも悪いことでもありません。
この記事では、変更を考えるきっかけになる理由から、具体的な手順・相談先・注意点まで、現役PTの視点でわかりやすく解説します。
ケアマネジャーは変更していい?結論からお伝えします

👨⚕️ もくもくポイント
「変更したい」と思うことは失礼なことではありません。介護保険制度では、利用者や家族が担当のケアマネジャーを選ぶ権利が認められています。遠慮せず、自分たちに合った担当者を選んでいいんです。
📝 訪問現場より
訪問の現場でも、変更後に「前より話しやすくなった」「サービスがスムーズになった」という声を何度も聞いてきました。
変更を考えること自体は、ごく自然なことです。担当者が変わることで介護の質が上がるなら、それは利用者さんにとっても家族にとっても正しい選択です。
ケアマネジャーを変更したいと感じる理由
ケアマネジャーへの不満や悩みは、人それぞれです。ただ、現場で家族から相談を受けてきた経験から、よく聞かれる理由にはいくつかの共通したパターンがあります。
相性・コミュニケーションの問題
介護サービスの調整は、ケアマネジャーと利用者・家族との信頼関係が土台になります。どれだけ経験豊富なケアマネジャーでも、話し方や雰囲気が合わないと感じると、相談しづらくなってしまいます。
研究でも、利用者とケアマネジャーが相互理解を深め、ニーズや目標を共有することが満足度に大きく影響することが示されています。(※①)
出典:利用者満足度による在宅ケアマネジメントの評価に関する研究(J-STAGE)
「なんとなく話しにくい」「こちらの気持ちをわかってもらえない」という感覚は、決して気のせいではありません。信頼関係が土台にならないと、本当に必要なサービス調整もうまく進まなくなります。
対応の遅さ・連絡が取れない

電話をしてもなかなか折り返しがない、相談しても返答が遅い、といった悩みもよく聞きます。
ケアマネジャーは多くの利用者を担当しているため、忙しいのは事実です。ただ、緊急時や急な状態変化のときに連絡が取れないのは、在宅介護では大きな不安につながります。
📝 訪問現場より
訪問先の家族から「福祉用具をそろそろ変えたいとケアマネジャーに話しているんですが、何週間たっても返事がなくて」と打ち明けられたことが何度かあります。
福祉用具の変更やサービスの調整は、ケアマネジャーが動かないと先に進みません。連絡が取れない状態が続くと、必要な対応がそのまま止まってしまいます。
法定業務が守られていない
実は、ケアマネジャーには法律で定められた業務があります。
厚生労働省の運営基準では、以下のことが義務づけられています。(※④)
出典:居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(厚生労働省・老企第22号)
✅ 法令で義務づけられている主な業務
- 要介護の方:月1回以上の居宅訪問とモニタリング記録
- 要支援の方:3ヶ月に1回以上の居宅訪問
- サービス担当者会議の開催
- ケアプランの説明・同意・交付
📝 訪問現場より
私が現場で家族から相談を受けたケースの中には、要介護の方で月1回の訪問が法律で義務づけられているにもかかわらず、長期間行われていなかった事例がありました。
このような場合は「なんとなく不満」ではなく、制度上の根拠がある明確な変更理由になります。
なお、国の調査でもケアマネジャーによるアセスメントや家族支援が不十分であるという指摘が出ており、担当者によって対応の質にばらつきがあるのが現状です。(※②)
出典:ケアマネジャーのあり方に関する調査研究(三菱リサーチ&コンサルティング)
👨⚕️ もくもくポイント
居宅訪問は月1回以上が法的義務です。「なんとなく不満」ではなく、制度上の根拠がある話なので、守られていない場合は遠慮なく変更を検討してください。
変更前に一度確認してほしいこと

「変更したい」と感じたとき、すぐに動く前に一度立ち止まって確認してほしいことがあります。
不満の原因は「制度の限界」かもしれない
現場でよく見るのが、ケアマネジャーへの不満が実は制度上の制約から来ているケースです。
⚠️ 制度の制約によるケース
「もっとサービスを増やしてほしいのに動いてくれない」という相談でも、介護保険には支給限度額があるため希望通りに追加できないことがあります。ケアマネジャーが意地悪をしているわけではなく、制度の枠の中で動いているだけというケースも少なくありません。
介護保険内のサービスで対応できない場合は、自費の訪問介護サービスという選択肢もあります。
変更を考える前に、まず「なぜそうなっているのか」を一度ケアマネジャーに直接聞いてみることが大切です。制度上の制約が原因だったというケースは、私の訪問経験でも少なくありません。
まず話し合いの機会を持てるか考えてみる
コミュニケーション不足が原因の場合、話し合いひとつで解決することもあります。
研究でも、ケアマネジャーのコミュニケーションが改善されることで、本人の望む暮らしへの理解が深まるという変化が確認されています。(※③)
出典:適切なケアマネジメント手法の策定・普及推進に向けた調査研究(日本総合研究所)
「この人とは絶対に無理」という強い不信感があるなら変更を進めるべきですが、「なんとなくモヤモヤしている」程度であれば、まず一度話してみることも選択肢のひとつです。変更の前に一歩立ち止まって考えてみてください。
それでも解決しないなら、変更を進めていい
⚠️ こんな場合は変更を検討してください
話し合っても改善されない・法定業務が守られていない・強い不信感がある——そういった場合は迷わず変更を検討してください。合わないまま我慢し続けることで介護の質が落ちてしまう方が、よほど問題です。
ケアマネジャーの変更方法・手順

変更の手順は、それほど複雑ではありません。基本的には相談先に連絡して希望を伝えるだけで動き出せます。
相談先① 地域包括支援センター
地域包括支援センターは、介護に関するあらゆる相談を受け付けている公的な窓口です。
担当エリアの地域包括支援センターは、市区町村の窓口や厚生労働省のウェブサイトから調べることができます。
現在のケアマネジャーに直接言いにくい場合は、地域包括支援センターに相談するのが一番スムーズです。「変えたい」と伝えるだけで、新しい事業所の紹介から手続きのサポートまでやってもらえます。
相談先② 市区町村の介護保険窓口
市区町村の介護保険担当窓口でも変更の相談ができます。
「担当ケアマネジャーが法定業務を果たしていない」など、より深刻な問題がある場合は、こちらに相談することで行政として動いてもらえる場合があります。苦情申し立ての窓口としても機能しています。
相談先③ 居宅介護支援事業所
「同じ事業所の別のケアマネジャーに変えたい」という場合は、事業所に直接その希望を伝えることができます。
また「別の事業所のケアマネジャーにしたい」という場合も、新しい事業所に直接連絡して受け入れ可能か確認する方法があります。その後、現在の事業所に変更の意向を伝え、引き継ぎを行う流れになります。
📋 変更の大まかな流れ
地域包括支援センター・市区町村窓口・居宅介護支援事業所のいずれかに連絡
話しやすさや経験を確認して選ぶ
言いにくければ相談先を通じて伝えてもらうこともできる
情報共有と引き継ぎが行われ、新しい担当者がケアプランを作成する
現在の担当者への伝え方
変更の手順の中で、多くの方が一番気になるのは「現在のケアマネジャーに、どう伝えるか」という点ではないでしょうか。
📝 訪問現場より
「お世話になっているのに、直接言いにくい」という気持ちはとても自然なことです。実は私自身、訪問先の家族から「ケアマネを変えたいけど言い出せないから、もくもくさんから伝えてもらえないか」と頼まれたことがあります。
それほど、直接伝えることへのハードルは高いものです。言い出せないのはあなただけではありません。
✅ 伝え方の3つの選択肢
- 直接ケアマネジャー本人に伝える
- ケアマネジャーの事業所に連絡して、所内で別の担当者に変えてもらう
- 地域包括支援センターや市区町村窓口を通して、先方に伝えてもらう
実際に、担当者本人ではなく事業所に直接連絡して所内で担当を変えてもらったケースも現場で見てきました。「直接言う」以外の方法もあります。言い出しにくければ、第三者を通じて伝えることは全く問題ありません。
変更に費用はかかるの?手続きはどうなる?
👨⚕️ もくもくポイント
変更にかかる費用はありません。ケアプランの作成・管理は介護保険の給付内で行われるため、担当者が変わっても利用者側の費用負担は変わりません。書類手続きや引き継ぎは基本的に事業所側が行いますが、新しい担当者との面談の時間は必要になります。
変更するときの注意点

変更自体はスムーズに進められますが、いくつか事前に知っておきたいポイントがあります。
要支援の方は変更できない場合がある
⚠️ 要支援の方は変更できない場合があります
要支援1・2の方のケアマネジメントは地域包括支援センターが担当しています。「別の事業所に変更する」という形が取れないことがあるため、まず担当の地域包括支援センターに相談し、対応可能かどうか確認してみてください。
なお、要介護・要支援の認定区分が不明な場合は、要介護認定の申請方法と流れもあわせてご確認ください。
小規模多機能型居宅介護を利用している方は注意
⚠️ 小規模多機能型居宅介護を利用している方
小規模多機能型居宅介護を利用している場合、ケアマネジャーはその事業所の職員に限定されます。外部の事業所への変更はできないため、ケアマネジャーを変えたい場合はサービス事業所ごと変更を検討する必要が出てきます。
引き継ぎ期間中もサービスは継続される
変更が決まってから移行するまで多少の時間がかかりますが、引き継ぎ期間中もサービスが突然止まることはありません。現在のケアマネジャーと新しいケアマネジャーの間で情報共有・引き継ぎが行われ、スムーズに移行できるよう調整されます。
希望通りに変更できない場合もある
⚠️ 必ずすぐに変更できるとは限りません
同じ事業所内に別の担当者がいれば所内変更できますが、職員数が少ない事業所では別の担当者がいない場合もあります。別の事業所も担当件数の上限で断られることがあるため、地域包括支援センターや市区町村窓口に相談して一緒に探してもらうのがスムーズです。
新しいケアマネジャーを選ぶポイント

せっかく変更するなら、次は長く信頼できる担当者と出会いたいですよね。選ぶときに意識してほしいポイントをお伝えします。
話しやすさ・聞く姿勢を確認する
最初の面談や電話での印象は大切です。こちらの話をしっかり聞いてくれるか、わかりやすく説明してくれるか、質問しやすい雰囲気かどうかを確認してみてください。
「なんとなく話しにくい」という感覚は、後々の不満につながりやすいです。最初の面談での印象を大切にしてください。
医療との連携経験があるか
持病がある方や、病院との連携が必要な方は、医療機関との連携経験が豊富なケアマネジャーを選ぶと安心です。
病院のソーシャルワーカーや地域包括支援センターに「医療連携が得意な事業所を教えてほしい」と聞いてみるのも有効な方法です。
担当件数が多すぎないか確認する
ケアマネジャー1人が担当できる利用者数には上限がありますが、件数が多いほど一人ひとりへの対応が手薄になりやすいのも事実です。
「今何件担当していますか?」と直接聞いてみることも、遠慮せずにしてみてください。誠実に答えてくれるかどうかも、その人の人柄を知るひとつの判断材料になります。
相性は実際に会ってみないとわからない
どれだけ評判が良くても、相性は実際に会ってみないとわかりません。最初から「この人に決めなければ」と思わず、合わなければまた相談するくらいの気持ちで臨むのが一番です。
目標を共有して、関わる全員の方向性を示してくれるか
法定業務をこなすのはもちろんですが、それ以上の関わり方をしてくれるケアマネジャーとそうでないケアマネジャーでは、介護の質に大きな差が出ます。
📝 訪問現場より
訪問先で「この担当者に変えて良かった」と感じたケースがあります。そのケアマネジャーは、ケアプランに短期目標・長期目標を明確に示し、「この3ヶ月はここを目指しましょう」という具体的な方向性を本人と家族に丁寧に伝えてくれていました。訪問リハビリや他のサービス事業者とも目標を共有してくれるため、関わる全員が同じ方向を向いて動くことができていました。
「なんとなくサービスを使っている」から「この目標に向かって使っている」に変わると、本人のモチベーションが変わります。
👨⚕️ もくもくポイント
担当者を選ぶときは、「ケアプランに具体的な目標を示してくれるか」「その目標を関係する人たちと共有しようとしてくれるか」も必ず確認してみてください。
まとめ
📝 まとめ
- ✅ ケアマネジャーは変更できる。遠慮は不要
- ✅ 不満の原因が制度の制約やコミュニケーション不足の場合は、まず話し合いを
- ✅ 法定業務が守られていない場合は、変更の明確な理由になる
- ✅ 変更に費用はかからない。手続きは基本的に事業所側が行う
- ✅ 相談先は地域包括支援センター・市区町村窓口・居宅介護支援事業所
- ✅ 希望通りすぐ変更できるとは限らない。地域包括に相談すると早く動ける
- ✅ 要支援・小規模多機能利用者は変更に制限がある場合があるので要確認
- ✅ 新しいケアマネジャーは話しやすさ・医療連携・担当件数・目標共有を基準に選ぶ
訪問の現場で「変更してよかった」という声を何度も聞いてきました。一人で抱え込まず、まずは相談窓口に声をかけてみてください。
① 利用者満足度による在宅ケアマネジメントの評価に関する研究(J-STAGE)
② ケアマネジャーのあり方に関する調査研究(三菱リサーチ&コンサルティング)
③ 適切なケアマネジメント手法の策定・普及推進に向けた調査研究(日本総合研究所)
④ 居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(厚生労働省・老企第22号)
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