膝サポーターの正しい付け方|ずれる・下がる・くるくる丸まる対策

膝サポーターの正しい付け方とずれ・下がり・丸まり対策 介護グッズ・食事

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📋 この記事でわかること

  • ✔ 膝サポーターの基本の付け方(お皿の位置・シワ伸ばし)
  • ✔ すぐズレる・下がってくる原因と、その直し方
  • ✔ くるくる丸まってしまうときの対処法
  • ✔ 座って着ける/立って着けるの使い分け
  • ✔ 握力の弱い高齢の親に着けさせるときのコツ
もくもく

・理学療法士歴15年|訪問リハビリ12年|累計12,000件以上の訪問
・在宅生活の専門家:小さなお子さんから難病、高齢の方まで幅広くサポート
・現場目線の発信:現場で培った「長く・安全に自宅で過ごすための工夫」を公開中

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せっかくサポーターを買ったのに、すぐ下がってくるって親が言うんです。着け方が悪いのかな…。

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そのお悩み、訪問先でもよく相談されます。実は「製品が悪い」のではなく、着け方とサイズを見直すだけで解決することがほとんどなんですよ。

膝サポーターは、正しく着けられていないと本来の効果が出ません。日本語で行われた研究をまとめたレビューでも、弾性タイプの膝サポーターは変形性膝関節症の痛みや動きにくさの改善に効果が期待できると報告されています(Mineら, 2017より)。ただしそれは「正しくフィットしていれば」の話です。この記事では、理学療法士として訪問リハビリに携わって12年、12,000件以上のお宅を回ってきた経験から、ズレ・下がり・丸まりを直す具体的なコツをお伝えします。

出典:Mine K, et al. 膝OAに対する装具・オルソーシスの有効性(日本語RCTのシステマティックレビュー)Prosthet Orthot Int. 2017

▶あわせて読みたい:膝サポーターに頼ると筋力が落ちる?論文と12年の訪問現場から正直に答えます

まずは基本の付け方(お皿の位置とシワ伸ばし)

膝サポーターを正しい位置に着けた高齢者の脚のイラスト
膝のお皿の中心にサポーターの中心を合わせるポイントの図解

トラブルを直す前に、まず基本を押さえておきましょう。ここができていないと、どんな対策をしても効果は半減します。基本の手順は次の4ステップです。

上下・裏表を確認する
タグやラベルの「上」「下」で向きをそろえる
お皿の真ん中に中心を合わせる
穴あきタイプは穴をお皿の中央へ
上下の位置を整える
上端は太ももの下、下端はふくらはぎの上に軽くかかる位置
シワをていねいに伸ばす
特に膝裏。食い込み・丸まりを防ぐ

まず、着ける前に上下と裏表を確認しましょう。膝サポーターは上下の向きが決まっているものが多く、その場合はタグやラベルに「上」「下」と書かれていることがほとんどです。着ける前にラベルを見て向きをそろえるだけで、フィットが安定します。上下が逆だったり裏表が反対だったりすると、それだけでズレや丸まりの原因になります。特に親御さんに着けさせるときは、ご家族が先に向きを確かめてあげると確実です。

いちばん大切なのは、サポーターの中心(穴が開いているタイプなら、その穴)を膝のお皿の真ん中に合わせることです。上下の位置がずれていたり、左右にかたよっていたりすると、それだけでズレや痛みの原因になります。

上下の合わせ方にもコツがあります。お皿の中心に合わせたうえで、サポーター全体が上に寄りすぎても下に落ちすぎてもいけません。お皿がちょうど真ん中にくる位置で、上端が太ももの下のほう、下端がふくらはぎの上のほうに軽くかかるイメージです。

位置を合わせたら、生地のシワをていねいに伸ばします。特に膝の裏側はシワが寄りやすく、そのまま歩くと肌に食い込んで痛くなったり、丸まる原因になったりします。着けたあとに膝の裏へ手を回し、シワが残っていないか確認する習慣をつけると安心です。ベルトタイプなら、上のベルトから先に軽く留め、ズレがないか確かめてから下のベルトを締めると、位置が安定します。

膝まわりの圧迫がなぜ効くのかというと、関節の位置を感じ取る「固有感覚」を補ってくれるからだと考えられています。研究でも、この感覚を高めることが痛みの軽減や日常動作の改善につながると報告されています(Chenら, 2019より)。だからこそ、肌にきちんとフィットしていることが大前提になるのです。

出典:Chen Z, et al. 固有感覚トレーニングと膝OA患者の転帰(RCTのメタアナリシス)2019

👨‍⚕️ もくもくポイント

お皿の位置合わせは、着けたあと一度その場で軽く足踏みしてみると確実です。数歩でずれるなら、その時点で位置かサイズが合っていないサイン。歩き出す前の10秒チェックが、あとのズレを防ぎます。

すぐズレる・下がってくる|原因と対策

「買ったばかりなのにすぐ下がる」――これは訪問先でも本当によく聞くお悩みです。原因は大きく4つに分けられます。ひとつずつ見ていきましょう。

お皿の位置がズレている

いちばん多い原因がこれです。着けた瞬間は良くても、お皿の中心とサポーターの中心がずれていると、歩いているうちにじわじわと下がってきます。まずは基本に戻り、お皿の真ん中に中心が来ているか確認しましょう。

ご家族が着けてあげる場合は、正面だけでなく横からも見てあげてください。正面からは合っているように見えても、横から見ると上や下にずれていることがよくあります。ご本人に鏡の前に立ってもらい、家族が横に回り込んで確認すると、ズレに気づきやすくなります。

サイズが合っていない

大きすぎると、当然すべって下がってきます。逆に小さすぎてきつく締めても、太ももの肉に押し戻されてずり落ちます。

購入前に、膝のお皿の中心から指4本分ほど上の太ももまわりを、メジャーで測ってみてください。その数値を製品のサイズ表と照らし合わせれば、失敗が減ります。高齢の方は加齢や体調で太ももの太さが変わることもあるので、以前のサイズを当てにせず、そのつど測り直すのがおすすめです。「なんとなく」で選んだサイズが、そのままズレの原因になっているケースは少なくありません。

太もも・ふくらはぎで押し下げられる

歩くたびに太ももやふくらはぎの筋肉が動き、その力でサポーターが下へ押されていきます。特に立ち座りの多い生活だと下がりやすくなります。対策としては、上端の内側に滑り止め(シリコンバンド)がついた製品を選ぶのが効果的です。あるいは、あらかじめ少し上めの位置に着けておくと、多少下がってちょうど良い位置に落ち着きます。太ももがしっかりしている方ほど押し戻されやすいので、この点は見落とさないでください。

固定力が足りない

かぶせるだけの筒状タイプは手軽ですが、固定力が弱く、活動量の多い方だとどうしても下がりがちです。こうした場合は、面ファスナー(マジックテープ)で締め具合を調整できるタイプに変えると、ぐっとズレにくくなります。

実際、膝サポーターのような装具を途中でやめてしまう理由として、フィットの悪さや装着感の悪さが大きいことが報告されています(Squyerら, 2013より)。「合わない・ズレる」を我慢して使い続けるより、締め方を微調整できる一枚に変えるほうが、結局は長く使えます。面ファスナーで細かく調整できる「リフリーラ」は、その意味で試す価値のある選択肢です。(※PR)

出典:Squyer E, et al. 膝OA用アンローダー装具は実際に装着されているか Clin Orthop Relat Res. 2013

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リフリーラ

📝 訪問現場より

ある利用者さんは、歩くとすぐサポーターが下がってきて「これはもう買い替えかしら」と困っていらっしゃいました。見せてもらうと、原因は締め方の甘さと、実はサイズが少し大きすぎたことの合わせ技。ご本人は「製品が悪い」と思い込んでおられました。そこでサイズを見直し、上のベルトから順に締め直す手順をお伝えしたところ、歩いても下がらなくなりました。ご家族は「買い替えなきゃと思っていたのに、着け方だっただけなんですね」と驚いていらっしゃいました。

道具のせいにする前に、まず着け方とサイズ――これが現場の実感です。

👨‍⚕️ もくもくポイント

ズレを直すときは、いきなり買い替えず「位置→サイズ→締め方」の順で見直してください。訪問先でも、この順にたどるだけで大半は解決します。お金をかけるのは、いちばん最後で十分です。

くるくる丸まる|原因と対策

上端や下端がくるくると丸まってしまい、うまく使えない。これもよくあるお悩みです。

縁が薄い・生地が伸びている

縁の生地が薄い製品は、動いているうちに丸まりやすい傾向があります。特に安価な薄手のものは、縁に補強がないと巻き上がりやすくなります。買うときに、上下の縁が厚めに作られているか、シリコンの滑り止めがついているかを見ておくと安心です。

また、長く使って生地が伸びきってしまったものも丸まりやすくなります。半年〜1年以上使ってヨレてきたり、着けてもすぐ落ちてくるようになったら、買い替えのサインと考えてよいでしょう。傷んだサポーターを我慢して使い続けても、効果は下がる一方です。

サイズが大きい

丸まりの原因も、実はサイズが大きすぎることが多いです。余った生地が行き場をなくして、縁でくるくると巻いてしまうのです。ズレと同じく、まずはサイズが合っているかを見直してみてください。しっかり肌にフィットするサイズなら、丸まりはぐっと減ります。

座って締める?立って締める?使い分け

膝を伸ばした状態で膝サポーターを着ける様子のイラスト

「座って着ける人が多いけれど、それで本当に合っているの?」とよく聞かれます。私が訪問先でおすすめしているのは、できるだけ膝を伸ばした状態で着けることです。

膝を曲げたまま着けると、その曲げた姿勢に生地が合ってしまい、いざ膝を伸ばしたときに生地が余ってズレたり丸まったりします。反対に、膝を伸ばした状態で着けておくと、いちばん張力がかかる「膝を曲げた場面」を基準にフィットするので、動いても緩みにくくなります。膝裏の皮膚も伸びた状態で着けられるので、シワも噛みにくくなります。

立って着けられる方は、立ったまま膝を伸ばして着けるのがいちばんです。ただ、高齢の親御さんだと、立ったままの着脱がふらついて危ないこともあります。その場合は、椅子に座って、かかとを別の台に乗せたり、ベッドに脚を伸ばして乗せたりして、膝をまっすぐ伸ばした状態を作ってあげてください。座ったままでも、膝を伸ばす一手間でフィットが大きく変わります。

👨‍⚕️ もくもくポイント

親御さんが座って着ける場合、かかとを乗せる台は「膝が伸びきる高さ」を選ぶのがコツです。低すぎると膝が曲がったままになり、せっかくの一手間が活きません。手近な椅子やクッションで高さを調整してあげてください。

握力の弱い親に着けさせる場合

面ファスナー式の膝サポーターを家族が親に着けてあげるイラスト

高齢の親御さんに着けさせるとき、いちばんの壁になるのが「握力」です。筒状のサポーターを引き上げるのも、きついベルトを締めるのも、力の弱った手には想像以上に大変な作業です。

そこで役立つのが、面ファスナーで留めるオープンタイプ(巻きつけて留める形)です。膝の後ろから当てて前で留めるだけなので、細い筒を無理に引き上げる必要がありません。締め具合も指先の力に合わせて微調整でき、親御さん自身の「自分でやりたい」という気持ちも尊重しやすくなります。

⚠️ 締めすぎに注意

ズレを心配して強く締めすぎると、かえって血のめぐりが悪くなり、しびれや圧迫感の原因になります。目安は、サポーターと脚のあいだに指が1本すっと入るくらい。着けたあとに指先の色が悪くなる・しびれる・冷たくなるといったサインが出たら、すぐにゆるめてください。ご本人が「きつい」と言えないこともあるので、着けさせたあとにご家族が一度確認してあげると安心です。

親御さんが「自分でやりたい」と言うときは、無理に手を出さないほうがうまくいきます。着けてあげるときも、横から手を出しすぎず、まずお皿の位置だけ一緒に確認してあげるのがコツです。「ここが真ん中だよ」と声をかけながら、最後の締め具合はご本人にゆだねる。全部やってあげるのではなく、難しいところだけそっと支える。そうすると、自尊心を傷つけずに、嫌がらずに続けてくれることが多いです。

どうしても着け方が定まらないときは、担当のケアマネジャーや理学療法士に相談するのも手です。実際に着けるところを見てもらえば、その方の膝に合った着け方をその場で教えてもらえます。

👨‍⚕️ もくもくポイント

着けさせるときは「今日は自分でどこまでできる?」と一声かけて、できない所だけ手伝うのがおすすめです。できることを奪わない関わりが、膝の力だけでなく、続ける意欲も守ります。

まとめ

膝サポーターがズレる・下がる・丸まるの多くは、「製品が悪い」のではなく、お皿の位置合わせ・サイズ・締め方・着ける姿勢のどれかでつまずいているだけです。まずはこの4点を見直してみてください。

⚠️ こんなときは整形外科へ

正しく着けても膝の痛みが強い・腫れている・熱をもっている・水がたまっているように感じる――といったときは、サポーターだけで様子を見ずに受診してください。サポーターはあくまで膝を助ける道具で、痛みの原因そのものを治すものではありません。着け方を見直しても改善しない痛みは、体からのサインと考えて、一度専門医に診てもらうと安心です。

そして、膝を伸ばして着けること。この一手間だけでも、フィットは大きく変わります。

サポーターは、正しく着けて「使い続けられること」でこそ効果を発揮する道具だと報告されています(Holdenら, 2024より)。どんなに良い製品でも、ズレたまま・丸まったまま使っていては、本来の力は出ません。合わないものを我慢して使い続けるより、まず着け方とサイズを見直し、それでも難しければ面ファスナーで調整しやすいタイプに変えてみる。遠回りに見えて、これがいちばんの近道です。

出典:Holden MA, et al. 膝OAに対する膝装具(RCT介入のスコーピングレビュー)Osteoarthritis Cartilage Open. 2024

膝サポーターは、正しく使えば毎日の歩きを支えてくれる心強い道具です。今日お伝えしたコツを、ぜひ親御さんの一枚で試してみてください。それが、親御さんの膝を長く守ることにつながります。

🌱 まとめ

  • ズレ・下がり・丸まりの多くは「製品」ではなく「着け方」が原因
  • 見直す順は【お皿の位置 → サイズ → 締め方】
  • 膝を伸ばした状態で着けるとフィットが安定する
  • 握力が弱い親には、面ファスナーのオープンタイプが着けやすい
  • 着け方を直しても痛む・腫れる・熱をもつときは整形外科へ

📚 参考文献

  1. Mine K, et al. The effectiveness of braces and orthoses for patients with knee osteoarthritis: A systematic review of Japanese-language randomised controlled trials. Prosthet Orthot Int. 2017. リンク
  2. Chen Z, et al. Proprioceptive Training and Outcomes of Patients With Knee Osteoarthritis: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. 2019. リンク
  3. Squyer E, et al. Unloader knee braces for osteoarthritis: do patients actually wear them? Clin Orthop Relat Res. 2013. リンク
  4. Holden MA, et al. Knee braces for knee osteoarthritis: A scoping review and narrative synthesis of interventions in randomised controlled trials. Osteoarthritis Cartilage Open. 2024. リンク
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医師による診断・治療に代わるものではありません。膝の痛み・腫れ・熱感・水がたまるなど気になる症状がある場合や、サポーターの使用に不安がある場合は、自己判断せず整形外科など専門医にご相談ください。

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