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📋 この記事でわかること
- ✔ 床ずれ(褥瘡)が寝たきりでできてしまうしくみ
- ✔ 仙骨・かかとなど、見逃しやすい「できやすい部位」
- ✔ 「気づいたら床ずれ」を防ぐ観察ポイント(消えない赤みの見分け方)
- ✔ 家庭でできる体位変換・ポジショニングのコツ
- ✔ 体圧分散クッションの選び方と、介護保険レンタルという選択肢

寝たきりの母のお尻に、赤い床ずれができていて…。気づいたときにはもう皮がむけていたんです。もっと早く気づいてあげたかった。

その後悔、訪問先でも本当によく聞きます。でも大丈夫。床ずれは“できる前のサイン”を知っておくと、家族でもかなり防げるんです。今日は現場で見てきた観察のコツを、まるごとお伝えしますね。
「気づいたら、床ずれができていた」——これは私が訪問の現場で、ご家族から何度も聞いてきた言葉です。
寝たきりや寝返りが難しくなると、床ずれ(褥瘡)はあっという間にできます。厄介なのは、痛みを訴えられない方だと、家族が気づいたときには皮膚がむけている——そんなケースが少なくないことです。
私はこれまで理学療法士として12年間、のべ1万件以上のお宅を訪問し、床ずれのできはじめから、そのケアまで数多く見てきました。その経験から言えるのは、床ずれは「できてから治す」より「できる前に気づいて防ぐ」ほうが、ご本人にもご家族にもずっと負担が少ないということです。
この記事では、床ずれができるしくみから、家族が家でできる観察と予防のコツまで、順番にお伝えしていきます。
床ずれ(褥瘡)はなぜできる?寝たきりで起こるしくみ
「床ずれ=皮膚がただれるもの」というイメージが強いかもしれません。でも正体を知ると、「なぜ予防できるのか」が腑に落ちます。まずはしくみから。
床ずれの正体は「体圧」による血流の途絶
床ずれ(褥瘡)は、体の同じ場所が長時間圧迫され続けることで起こります。
私たちの体は、皮膚のすぐ下を細い血管が通っていて、そこを流れる血液が皮膚に酸素や栄養を届けています。ところが、寝たきりで同じ姿勢が続くと、ベッドと骨に挟まれた皮膚がずっと押しつぶされた状態になります。すると血管がつぶれて血が流れなくなり、その部分の皮膚が酸欠・栄養不足に陥ってしまう。これが床ずれの始まりです。
健康な人なら、寝ていても無意識に寝返りを打って、自然と圧迫を逃がしています。「痛い」「しびれた」と感じる前に、体が勝手に動いてくれているんですね。
問題は、脳梗塞の後遺症などで自分で寝返りが打てない方、感覚が鈍くなっている方です。圧迫され続けても体が逃がせないため、ピンポイントで血流が途絶え、床ずれができやすくなります。
圧迫だけじゃない|「ずれ」「湿潤」「栄養」も引き金になる
床ずれの主犯は「圧迫」ですが、実はそれを悪化させる“共犯者”がいます。現場で特に注意しているのが次の3つです。
⚠️ 圧迫を悪化させる3つの“共犯者”
ずれ(ずれ力)
ベッドの背もたれを起こしたとき、体がずるずると下にずり落ちることがあります。このとき皮膚は引っぱられ、中の血管がねじれるように傷つきます。圧迫だけのときより、実は床ずれができやすくなる要注意ポイントです。
湿潤(むれ)
汗や尿・便、オムツの中のむれで皮膚がふやけると、こすれや圧迫に一気に弱くなります。ふやけた皮膚は、少しの摩擦でもめくれやすくなるのです。
低栄養
皮膚や筋肉は、食べたものから作られています。食が細くなって栄養やたんぱく質が不足すると、皮膚そのものが薄く弱くなり、床ずれができやすく・治りにくくなります。やせて骨が出っぱると、なおさら圧迫が集中します。
(食が細い・むせるようになった場合は親が食事でむせるようになったら|嚥下食・宅配弁当の選び方も参考にしてください)
つまり床ずれは、「圧迫」を土台に、「ずれ」「むれ」「低栄養」が重なって起こるもの。逆に言えば、この4つに手を打てば、家庭でもかなり予防できるということです。次の章では、まず「どこにできやすいか」を見ていきましょう。
👨⚕️ もくもくポイント
見落とされがちなのが「ずれ」です。ベッドの背もたれを起こしたあと、一度お尻を持ち上げて背中を伸ばす“ずれ抜き”をひと手間加えるだけで、皮膚への負担がぐっと減ります。私が現場で、家族にまずお伝えする動作のひとつです。
床ずれができやすい部位|見逃しやすい仙骨・かかと

床ずれができる場所は、ほぼ決まっています。知っておくだけで、日々どこを見ればいいかがはっきりします。
寝たきりで狙われる好発部位(仙骨・かかと・肩甲骨・後頭部)
床ずれができやすいのは、「骨が皮膚の近くまで出っぱっている場所」です。専門的には好発部位と呼びます。
仰向けで寝ている時間が長い方の場合、特に注意したいのが次の場所です。
✅ 仰向けで特に注意したい部位
- 仙骨部(お尻の割れ目の少し上、骨盤の中央)…最もできやすい
- かかと(踵骨)…見落とされがちだが要注意
- 後頭部(後ろ頭)…特に高齢でやせている方
- 肩甲骨(背中の左右の出っぱり)
- 肘
横向き(側臥位)で過ごすことが多い方は、これに加えて、大転子部(太ももの付け根の外側の出っぱり)や、耳、くるぶしなどにもできやすくなります。
なかでも仙骨とかかとは、寝たきりの方の床ずれの二大好発部位です。この記事の後半で紹介する私の担当ケースも、まさにこの2か所でした。
なぜ骨の出っぱりに集中するのか
理由はシンプルです。骨が出っぱっている場所は、その一点に体重が集中してしまうから。
やわらかいクッションの上に、とがった石と平らな石を置くところを想像してみてください。とがった石のほうが、深く食い込みますよね。体も同じで、骨が出っぱった部分は、皮膚とベッドの間で“とがった石”のように体重を一点に受け止めてしまいます。
しかも、やせて筋肉や脂肪が落ちてくると、骨と皮膚の間のクッションがなくなり、ますます一点集中に。高齢でやせている方ほど床ずれができやすいのは、このためです。
だからこそ、「体重を一点に集めない=広い面で支える・浮かせる」という発想が、予防の基本になります。
📝 訪問現場より|脊髄損傷の方の「かかと」の床ずれ
以前担当していた脊髄損傷の方は、体を思うように動かせず、一日の大半を仰向けで過ごされていました。ご家族もお尻(仙骨)はよく見ていたのですが、意外な盲点が「かかと」。仰向けではかかとがずっとマットレスに押しつけられ、しかも“下”にあって見えにくく、気づいたときには赤みが出ていました。
このときは、かかとをふんわり浮かせる専用クッションで調整し、それ以上悪化させずにすみました。「お尻ばかり気にして、かかとは完全に見落としていました」——ご家族のこの一言が、とても印象に残っています。
「気づいたら床ずれ」を防ぐ観察ポイント
床ずれ予防で最も大切なのは、実は「早く気づくこと」。初期サインで気づければ姿勢の工夫だけで防げますが、皮がむけてからでは治すのに何週間もかかります。見逃さないためのポイントをお伝えします。
床ずれはこう進む|褥瘡のステージ(Ⅰ〜Ⅳ度)を知っておく
床ずれは、ある日突然ぱっくり傷ができるわけではありません。段階を追って深くなっていきます。床ずれは一般に、深さによっておおむね次のように分けられます(家族向けにかみ砕いています)。
📊 床ずれの深達度(Ⅰ〜Ⅳ度)
- Ⅰ度:皮膚が赤くなる(まだ傷はない。押しても消えない赤み)
- Ⅱ度:水ぶくれ/皮膚の表面がむける
- Ⅲ度:皮膚の下の組織(脂肪の層)まで達する
- Ⅳ度:さらに深く、筋肉や骨まで達する
(褥瘡の深達度分類より)
出典:褥瘡の深達度分類(Ⅰ〜Ⅳ度/NPUAP・EPUAP分類)|マルホ
ここで注目してほしいのは、いちばん最初のⅠ度は「赤くなるだけ」だということ。傷ではないので、ここで気づいて手を打てば、多くはそれ以上進まずにすみます。
ちなみに医療・介護の現場では、床ずれをDESIGN-R®(デザインアール)という評価スケールで記録します。家族が覚える必要はありませんが、「訪問看護師さんが点数をつけている」のを見たら、それがこの評価です。
冒頭のご家族が「気づいたら皮がむけていた」とおっしゃっていましたが、これはすでにⅡ度まで進んでいた状態。もしⅠ度の「赤み」の段階で気づけていたら、と思わずにいられないケースでした。だからこそ、次の「赤みの見分け方」が重要になります。
見逃さないための指押しテスト|「消えない赤み」は危険サイン

「皮膚が赤い」——これを見つけたとき、家族が自分でできる簡単なチェックがあります。指押しテストです。
やり方はとても簡単です。
- 赤くなっている部分を、指でそっと数秒押す
- パッと指を離して、色の変化を見る
✅ 押すと白くなり、離すと赤みが戻る
一時的な発赤(消退する発赤)。血流は保たれており、比較的心配は少ない。
❌ 押しても赤いまま、白くならない
消えない発赤(持続する発赤)。床ずれの始まりのサインで要注意。
つまり、押して「消えない赤み」は危険信号です。(日本褥瘡学会編ガイドブックより)
出典:日本褥瘡学会編『在宅褥瘡予防・治療ガイドブック 第3版』(照林社)※解説:アルメディアweb
この段階で姿勢を工夫し、その部位への圧迫を減らせば、傷になる前に食い止められることが多いのです。赤みを見つけたら、まずこのテスト。ぜひ覚えておいてください。
観察はいつ・どこを見る?(オムツ交換・入浴のタイミング)
「毎日わざわざチェックは大変」と感じるかもしれませんが、日々の介護の中に絶好のタイミングがあります。おすすめは、オムツ交換のときと、入浴・清拭のときです。
このタイミングなら、服やオムツを外して肌が見えているので、無理なく皮膚の状態を確認できます。特に見てほしいのは、前の章で挙げた好発部位——仙骨(お尻)、かかと、背中、後頭部。
✅ 観察でチェックする3つのポイント
- いつもと違う「赤み」はないか
- 皮膚がジュクジュク・カサカサしていないか
- 押して消えない赤みはないか(指押しテスト)
かかとやお尻の下側など、見えにくい場所は、体の向きを変えたついでにのぞき込むクセをつけるのがコツです。「オムツ交換のとき、ついでにお尻とかかとを見る」——これを習慣にするだけで、早期発見の確率はぐっと上がります。
👨⚕️ もくもくポイント
赤みを見つけたら、その場でスマホの写真に残しておくのがおすすめです。日付が記録されるので、次に見たとき「広がっていないか」を家族でも見比べられますし、訪問看護師や医師に見せるときも、状態が正確に伝わります。
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家庭でできる床ずれ予防|体位変換とポジショニングのコツ
観察で早く気づくことと並んで大切なのが、そもそも圧迫をためこまない工夫です。ここでは、家庭でできる基本の3つをお伝えします。特別な技術はいりません。コツさえ押さえれば、家族でも十分にできます。
体位変換の頻度|「2時間ごと」の考え方
床ずれ予防の基本中の基本が、体の向きを変える「体位変換」です。同じ場所が圧迫され続ける時間を、こまめにリセットしてあげるイメージです。
日本褥瘡学会では、体位変換は基本的に2時間を超えない範囲で行うことがすすめられています。ただし、あとで紹介する体圧分散マットレス(エアマットなど)を使っている場合は、4時間を超えない範囲でもよいとされています。(日本褥瘡学会より)
とはいえ、深夜も2時間おきに起きて向きを変えるのは、介護するご家族にとって大きな負担です。現場でも、ここで疲れきってしまうご家族を何度も見てきました。だからこそ私は、「まずマットレスの見直しで体位変換の間隔を延ばせないか」をあわせて考えることをおすすめしています(これはこのあと詳しくお伝えします)。
ちなみに、大きく向きを変えるのが難しいときは、クッションを差し込んで体をほんの少し傾けるだけでも、当たる場所がずれて圧迫が分散されます。「きっちり2時間おきに完璧に」より、「できる範囲でこまめに」で大丈夫です。
30度側臥位|お尻の筋肉で支える基本姿勢

横向きにするときに、ぜひ覚えてほしい姿勢が30度側臥位です。
真横(90度)まで倒すのではなく、背中の下にクッションを入れて、体を30度くらいだけ斜めに傾ける姿勢です。なぜこの角度かというと、骨の出っぱり(仙骨や大転子)を避けて、お尻の大きな筋肉で体重を受け止められるから。(日本褥瘡学会より)
とがった一点で支えるのではなく、やわらかく広い面で支える——先ほどお伝えした「体重を一点に集めない」を、姿勢で実現する方法です。
ポイントは、背中・お尻・足の間にクッションを入れて、姿勢がずり落ちないように安定させること。ただし「30度」はあくまで目安です。体型や状態によってちょうどいい角度は変わるので、きっちり分度器で測る必要はありません。ご本人が楽で、骨の出っぱりが浮いていればOKです。
かかとは「浮かせる」|円座(ドーナツ型)はNG
見落とされがちなかかとには、専用の対策があります。それは、かかとを浮かせること。
ふくらはぎの下に細長いクッションや丸めたバスタオルを入れて、かかとがマットレスに触れないように“宙に浮かせる”のが基本です。当たっていなければ、そもそも圧迫されません。
ここで一つ、家庭でやりがちな注意点があります。それは、真ん中に穴の空いた円座(ドーナツ型クッション)を使わないことです。
一見、穴の部分に患部がはまって良さそうに思えます。でも実際は、穴のフチが当たる部分の血流をかえって悪くしてしまい、その円に沿って新たな床ずれを作ってしまうことがあるのです。(マルホ「褥瘡辞典 for FAMILY」より)
出典:褥瘡(床ずれ)の予防とケア|マルホ 褥瘡辞典 for FAMILY
「患部を浮かせたい」なら、円座で囲うのではなく、部位ごと下から支えて浮かせる。これが正解です。良かれと思って使った円座が逆効果、というのは現場でもときどき見かけるので、ぜひ覚えておいてください。
圧迫以外の「ずれ・むれ・低栄養」にも手を打つ
ここまでは圧迫(体位・姿勢)の話でしたが、最初にお伝えした残りの3つにも、家庭でできる簡単な対策があります。
・ずれ…ベッドの背上げは30度くらいまでを目安に。上げたあとは体を一度引き上げ、ずり落ちを直す
・むれ…オムツはこまめに交換し、汗や汚れはやさしく拭いて清潔に。乾燥した肌には保湿も
・低栄養…食が細ると皮膚が弱くなります。食べられる範囲で、たんぱく質(肉・魚・卵・乳製品)を意識して
どれも特別なことではありませんが、圧迫対策と合わせると予防効果がぐっと高まります。
👨⚕️ もくもくポイント
「2時間おきに完璧に」を目指して、ご家族が倒れてしまっては本末転倒です。大きく動かせないときは、クッションで少し傾けるだけでも圧は分散します。まずは「できる範囲でこまめに」。無理なく続けられる形を優先してください。
なお、体を支えるこうした用具は、まず介護保険のレンタルや相談が基本です(このあとの章で詳しく触れます)。そのうえで「自費でもすぐ備えておきたい」という方向けに、市販の選択肢も挙げておきますね。
30度側臥位やかかとの浮かせ方には、介護用のポジショニングピローも便利です。体の下に挟んで姿勢を安定させたり、ふくらはぎの下に入れて踵を浮かせたりと、圧を逃がす姿勢づくりの心強い味方になります(カバーを丸洗いできるタイプなら、むれ対策にも)。
訪問PTが実際に使ってみた結果(体圧分散クッション)

ここまで観察と予防の基本をお伝えしてきました。最後に、実際に私が担当したケースを通して、体圧分散クッションがどう役立つのかをお話しします。
脳梗塞後・寝たきりの方の仙骨にできた床ずれ
📝 訪問現場より|脳梗塞後・寝たきりの方の「仙骨」の床ずれ
①状況 脳梗塞の後遺症で寝たきりになり、ご自分では寝返りも難しい方でした。仰向けで過ごす時間が長く、体重がずっと仙骨(お尻の中央)の一点に集中——まさに床ずれができやすい典型的な条件がそろっていました。
②気づくまで ある日ご家族から「お尻の様子がおかしい」と相談を受け、見せていただくと、仙骨の皮膚がすでにむけたⅡ度の状態。「赤み(Ⅰ度)」を通り越していました。毎日介護されていても、見えにくい場所の変化に気づくのは本当に難しいのです。
③対応と結果 すぐに訪問看護に相談し、写真を主治医と共有。後日、主治医も往診で確認してくださり、医療と連携した対応がスタート。私は理学療法士として、マットレスの変更・体圧分散クッションの導入・仙骨に圧を集中させないポジショニング(30度側臥位など)を、ご家族に実際にやってみせながら指導しました。環境を整えたことで、それ以上悪化させずにケアを続けられました。
④ご家族の反応 最初は「どう対応すればいいのか分からない」と不安そうでしたが、やることが「観察・姿勢・道具」と整理され、医療職と一緒に動ける体制ができると、表情がぐっと落ち着いていったのを覚えています。
このケースが教えてくれるのは、床ずれは「家族だけで抱え込まない」ことがいかに大切か、ということです。そして、圧迫を逃がす“道具”を上手に使うことが、家族の負担も本人の苦痛も減らしてくれます。
まず知ってほしい|クッションは介護保険レンタルも選べる
体圧分散クッションと聞くと、すぐにネットで探して買おうと思うかもしれません。でも、その前に知っておいてほしいことがあります。
床ずれ予防のクッションやパッド(ナーセントパッドなどの製品)は種類がとても多く、ご本人の状態・体型・床ずれの部位によって、合うものが変わります。自己判断で選ぶと、せっかく買っても体に合わない、ということも起こりえます。
そして大切なのが、こうした用具は、ものによって介護保険のレンタルや購入補助の対象になる場合があるということ。対象かどうかは製品や要介護度、お住まいの自治体によって変わるので、まずは相談するのが確実です。
おすすめの順番はこうです。
なお、体位変換の負担そのものを軽くしたいなら、まず土台となる体圧分散マットレスの見直しが近道です。エアマットのように自動で圧を分散してくれるタイプを使うと、先ほどの「2時間→4時間」のように体位変換の間隔を延ばせる場合があります。こうしたマットレスも多くは介護保険のレンタル対象なので、クッションと同じく、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談すれば、状態に合ったものを選んでもらえます。
専門相談員は、体の状態を見て「この方にはこのタイプ」と提案してくれるプロです。いきなり自費で買う前に、まずはこのルートを使えないか確認してみてください。
👨⚕️ もくもくポイント
クッションはいきなり自費で買う前に、まずケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談を。状態に合うものを選んでもらえますし、介護保険のレンタル・購入補助が使えることもあります。「相談してから」が、失敗しない近道です。
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体圧分散クッションの選び方と使い方
そのうえで、「すぐに備えたい」「保険の手続きを待たずに、まず自費でも用意しておきたい」という方や、レンタル対象にならない補助的なクッションを探している方には、市販の体圧分散クッションが選択肢になります。
選ぶときに見てほしいポイントは次の3つです。
・どの部位に使うか(仙骨用・かかと用など、目的に合ったもの)
・体圧を「広い面で分散」または「浮かせる」構造になっているか
・洗える・清潔を保ちやすいか(湿潤対策にも関わります)
使い方の基本は、これまでお伝えしてきた通り。「一点に集めず、広い面で支える・浮かせる」です。クッションはあくまで圧迫を逃がす“補助”なので、観察と体位変換とセットで使ってこそ効果を発揮します。
⚠️ こんなときは家庭ケアで粘らず、医療職へ
次のようなサインが出たら、自己判断で様子を見ず、早めに訪問看護師・ケアマネジャー・かかりつけ医に相談してください。
- 皮膚がむけている、水ぶくれ・ジュクジュクしている
- 傷から膿が出る、いやなにおいがする
- 患部が熱を持っている、赤く腫れている
- ご本人が痛がる、発熱がある
また、すでに床ずれができている場合、市販の薬を自己判断で塗るのは避けてください。床ずれは深さによって必要な処置がまったく変わり、間違ったケアは悪化を招くことがあります。特に糖尿病などの持病がある方は悪化が早いので、早めの相談が肝心です。
まとめ
床ずれ(褥瘡)は、寝たきりや寝返りが難しい方にとって、本当にあっという間にできてしまうものです。でも、しくみと防ぎ方を知っておけば、家族の力でかなり予防できます。最後に、この記事のポイントを振り返っておきましょう。
📝 まとめ
- ✅ 床ずれは「体圧による血流の途絶」が原因。圧迫+「ずれ・むれ・低栄養」も引き金に
- ✅ できやすいのは仙骨・かかとなど骨が出っぱった場所。特に見えにくいかかとは要注意
- ✅ いちばん大切なのは「早く気づくこと」。押しても消えない赤み(指押しテスト)は始まりのサイン
- ✅ オムツ交換や入浴のタイミングで、好発部位をチェックする習慣を
- ✅ 予防の基本は「一点に集めない」。体位変換・30度側臥位・かかとは浮かせる(円座はNG)
- ✅ 体圧分散クッションは、まずケアマネジャー・福祉用具専門相談員に相談を(介護保険のレンタル・購入補助が使える場合あり)
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私が現場で何度も感じてきたのは、床ずれを前にしたご家族が「自分のせいだ」と責めてしまうことの多さです。でも床ずれは愛情不足でできるものではなく、条件がそろえば誰にでも起こります。だからこそ大切なのは「家族だけで抱え込まないこと」。観察で早く気づき、姿勢と道具で圧を逃がし、専門職と一緒に向き合えば、ご本人の苦痛も家族の負担も軽くしていけます。
今日お伝えした観察のコツを、まずは今夜のオムツ交換のときから、そっと試してみてくださいね。
・褥瘡の予防について|日本褥瘡学会
・日本褥瘡学会編『在宅褥瘡予防・治療ガイドブック 第3版』(照林社)※解説:アルメディアweb
・褥瘡状態評価スケール 改定DESIGN-R®2020|日本褥瘡学会
・褥瘡の分類(深達度Ⅰ〜Ⅳ度)|マルホ
・褥瘡(床ずれ)の予防とケア|マルホ 褥瘡辞典 for FAMILY


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